サラリーマンの所得税と障害者控除

おかね

いままで意識したことなかったけど、わたしの働いて得たおかねから「所得税」がこんなに引かれてるんだね!

そうよ
組織に勤めている人は、勤務先が所得税などを取りまとめて納めているの
もらえる給与はその残りの金額になるのよ

そ、そうだったのかー!!

ただし、働いて得たおかねすべてに所得税がかかるわけじゃないの
税金のかかるおかねの範囲を少なくできる「控除(こうじょ)」というものがあるよ
今回は給与所得の控除のうち、基本的なものを見ていきましょう

「所得控除」で税金の魔の手からおかねを守ろう?!

わたしたちが快適に暮らすために税金が必要なことは理解したよ
だけど、それでも税金はできるだけ払いたくないなぁ

なにか方法はないの?

税を集める国も悪魔ではないから「生活に最低限必要であると認められるおかね」を確保することは認められているわ

その分は所得税がかからないの(非課税)

例えていえば、
あなたの働いて得たおかねを国が税金をかける(課税)対象として狙っています
それに対しあなたは
「〇〇という理由で■■万円は必要なおかねだから課税しないで!」
と出せる「防御用の切り札」がありますよ、ということ
この切り札を「控除」といって、全部で15種類あるのよ

組織で働く人が年末調整で受けられる控除

民間企業や官公庁で働く人は、勤め先で所得税の基本的な計算をして、税金の納めすぎや不足を調整しています。
11月から12月にかけて、勤め先で配られた小難しい書類に家族や生命保険の内容を書き、ハンコをついて出したことがありませんか?
その書類が所得税の計算をするためのものだったんです。この計算を「年末調整」といいます。

この記事では、年末調整をすることで多くの人に適用される控除をご案内します。

基礎控除

基礎控除は、無条件で差し引くことのできる控除です。
最低限食べていくために必要な分のおかねを所得税の対象から差し引いて、生活を守る、とイメージするとよいでしょう。


1年間に得た金額の合計(合計所得金額)が2,400万円以下の場合、基礎控除の金額は48万円です。

給与所得控除

給与所得控除は、民間企業や官公庁などの組織で働く人が受け取るお金(給与所得)に対する控除です。

給与所得控除は、給与を得るために準備するものにかかるおかねをざっくりと計算したものといえるでしょう。
継続して勤務するために、もらった給与の中から自分でお金を出して身だしなみや一定の健康状態をたもつことがありますよね?
そこにかかったおかねを考慮して、課税対象から一定額を外してもらえる、ということです。

給与所得控除の金額は収入によって異なりますが、給与等の収入金額が162.5万円以下なら55万円です。

障害者を対象とした所得控除もあるんです!

障害者控除とは

働く障害者には、申告によって「障害者控除」が適用されます。
障害者控除は、障害を持ちながら稼ぐ大変さや生活を維持するのにかかる費用を配慮し、公平性を保つという意義があります。

障害を持つ本人の障害者控除には「一般障害者」と、より重度の「特別障害者」があります。
対象となる障害者の範囲は、国税庁のサイトで確認できます。
障害者手帳(障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)の交付を受けている人は障害者控除の対象です。
しかし、手帳以外にも対象となる場合があります。

障害者控除の金額

障害者控除の金額は、

  • 一般障害者:27万円
  • 特別障害者:40万円

となっています。

障害者控除を受けるには

年末調整書類のひとつ「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に障害者であることを申告する欄があります。
その欄にチェックを入れ、障害の等級と手帳の交付日を記入し提出すると、障害者控除を受けられます。

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月15万円までの通勤手当は所得税の対象外です。
勤め先に行くためにかかるおかねで、稼いでいる訳ではないから所得税はかからないのですね。

家族に障害者がいる場合も障害者控除が適用できる場合があります。
障害当事者の所得や家族の範囲に条件がありますので、詳しくは国税庁のサイトをご覧ください。

上記の通り、サラリーマンが障害者控除を受けるには原則として年末調整での申告が必要です。
しかし、障害者手帳の交付を受けていても障害を明かさずに勤めている人もいると思います。
そんなクローズ就労の方向けの申告方法を調べてくれた方がいます。
詳しくはこちらをご覧ください(外部サイトに移動します)。

まとめ

以上をふまえると、1つの勤務先のみで給与収入を得ていて、その金額が130万円以下なら、障害者控除(一般障害者)が適用になれば

基礎控除 48万円 + 給与所得控除 55万円 + 障害者控除 27万円 = 合計 130万円の控除

となり、所得税はかかりません。

つまり、一般に「103万の壁」と言われる 所得税がかかるかどうかの分岐ラインは、障害を持つ人の場合、「130万の壁」となるんです。
特にフルタイムで自立して働いているサラリーマン障害者の方にとっては有利な制度になっているので、役立てていただけるとわたしもうれしいです。

勤め先に障害を明かして就労している場合も、基本的には自分で年末調整書類に書かないと障害者控除は適用されません
もし条件を満たしているのに申告していなかった人は、税務署に相談すると納めた税が返ってくるかもしれません

障害者控除は、働く障害者を応援してくれる制度だね!
わたしは診断されたばかりで手帳を持っていないけど、障害者控除のメリットをふまえて、手帳の申請を考えてみるよ